床選びで差が出る注文住宅

注文住宅の家づくりで悩んだ「床選び」という大きなテーマ

注文住宅で家づくりを始めた当初は、間取りや外観を考えることが楽しく、「理想の家が形になっていく」というワクワク感でいっぱいでした。しかし打ち合わせが進むにつれて、「ここまで細かい部分も自分たちで決めるのか」と戸惑う場面が増えていきます。その中でも、想像以上に悩んだのが「床」の選択でした。

床は毎日触れる場所でありながら、普段の生活ではあまり意識しない部分でもあります。そのため、最初は「床なんてどれも大きな違いはないだろう」と軽く考えていました。しかし、実際に検討を始めてみると、床材の種類、質感、色、価格、機能性など、考えるべきことが非常に多く、注文住宅ならではの“自由さ”が、逆に迷いの原因になっていきました。


床材の種類が多すぎて迷ってしまった実体験

注文住宅の打ち合わせでは、無垢材、複合フローリング、クッションフロア、フロアタイル、タイル床など、さまざまな床材を提案されました。それぞれに特徴があり、見た目や手触り、価格帯もまったく異なります。

無垢材は木の温もりがあり魅力的ですが、価格が高く、メンテナンスにも気を使う必要があります。一方、複合フローリングは見た目と機能性のバランスが良く、選択肢も豊富です。水回りにはクッションフロアやフロアタイルが向いていると言われ、確かに機能性を考えると納得できました。

こうして部屋ごとに最適な床材を考えていった結果、「リビングはこれ」「キッチンはこれ」「寝室はこれ」と個別最適を追求しすぎてしまい、家全体で見たときの統一感が弱くなってしまったのは、今振り返ると反省点のひとつです。


部分的なこだわりが全体のバランスを崩すこともある

注文住宅の魅力は、自分たちの理想を細部まで反映できる点にあります。しかし、その自由度の高さゆえに、部分ごとの「好き」を優先しすぎると、家全体のバランスが取りにくくなることもあります。

床は視界に入る面積が広いため、素材や色味が変わると空間の印象が大きく変化します。リビングは温かみのある色、寝室は落ち着いたトーン、と考えること自体は間違いではありませんが、家全体を一つの空間として捉える視点も必要だったと感じています。


床暖房は導入して本当に良かったポイント

一方で、「やって良かった」と心から思えるのが床暖房の導入です。冬場でも足元が冷えにくく、エアコンの風が苦手な家族にも好評でした。注文住宅だからこそ取り入れられた設備で、生活の快適さは格段に向上したと感じています。

ただし、床暖房に対応していない床材もあるため、デザインだけで床材を選んでしまうと後から後悔する可能性があります。床暖房を検討している場合は、対応可否や熱伝導率なども含めて、早い段階で確認することが重要です。


見た目だけで選ぶと後悔しやすい「床の色」

床の色についても、住んでから気づいたポイントがありました。濃い色の床は高級感がありますが、ホコリや髪の毛が意外と目立ちます。反対に、明るすぎる床は汚れが目につきやすい場合もあります。

注文住宅の打ち合わせ中は「おしゃれにしたい」という気持ちが先行しがちですが、床は毎日掃除をする場所でもあるため、掃除のしやすさや汚れの目立ちにくさといった実用面も重視すべきだと実感しました。


床は「暮らしの土台」だからこそ時間をかけて選びたい

注文住宅を建てて改めて感じたのは、床はまさに「暮らしの土台」であり、日々の生活に最も密着している要素だということです。歩く、座る、寝転ぶといった日常の動作すべてに関わるため、満足度への影響は想像以上に大きいと感じました。

もし床選びに、もう少しだけ時間と予算をかけていれば、さらに満足度の高い家になっていたかもしれません。注文住宅は決めることが多く大変ですが、その分、完成したときの喜びは格別です。


まとめ:注文住宅の成功は床選びから始まる

これから注文住宅を検討している方には、ぜひ床選びにもじっくり向き合ってほしいと思います。デザイン性だけでなく、機能性、メンテナンス性、将来の暮らしまで見据えて選ぶことで、後悔のない家づくりにつながります。

注文住宅は一生に一度の大きな買い物です。だからこそ、床という基本的な部分にも妥協せず、自分たちのライフスタイルに本当に合った選択をしてほしいと感じています。

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